太陽熱温水器の集熱方式の種類と仕組み、それぞれのメリットとデメリットは、
こちらの記事で紹介させてもらいました。
前回の記事は太陽熱温水器の初歩的な解説でした。
今回は、もっと深掘りをして加温方式と循環方式の種類と違いを紹介したいと思います。
この記事を読んでもらえれば具体的に自分に合う太陽熱温水器がどれなのかがわかります。
自分のライフスタイルにピッタリのものがあれば、ぜひ導入を検討してみてください。
今回、読んでもらうとわかる内容はこれです。
加温方式
加温方式とは、平板型や真空管型で集熱した熱エネルギーでどう水を温めるのかということです。
非常にシンプルな話なのでササっと行きます。
直接加温
こちらは読んで字の如く、集めた熱でそのまま水を加温する方式です。
真空管型なら下図のようにガラス管に水を流し込み冷たい水と温まった水の温度差で
対流させてお湯を作って貯めていきます。

メリット
- 製品構造が非常にシンプルで壊れにくい
- 価格が安価
デメリット
- 寒冷地では凍結の恐れがある
- 直接加温だと水の汚染リスクがあり、飲用に適さない
間接加温
直接加温の反対に金属や液体などに熱エネルギーを移して、そこから水へ加温する方式で
基本的には不凍液や銅管などを使うことが多いです。
下図は平板型の場合、あくまでも水は貯湯タンク内に給水され、タンク内で加温される方式
パネルの中で循環するのは不凍液

真空管型の場合は下図のような真空管を温めます。
温めるとヒートパイプが高温になります。

温まったヒートパイプは下図のように貯湯タンクと連結されており、
直接、水と接触することなく、加温することができます。

メリット
- 凍結のリスクが少ない
- 真空管型の場合、割れた時の修理が非常に楽にできる
デメリット
- イニシャルコストが高い
循環方式
循環方式とは、水やお湯をどのように循環させるかということで、
重力などに従った自然循環とポンプやモーターなど動力を使う強制循環の2種類があります。
それぞれ詳しく説明していきます。
自然循環型
自然循環型とは基本的に屋根の上など高いところに載せることを想定している循環方式です。
下図のように給水は水道の圧力で給水し、給湯は屋根からの高低差を利用して自然落下で、
給湯しています。
基本的に自然循環型は貯湯タンク一体型になっている場合が多いです。
しかし、地上において使う場合などは、ポンプで加圧するなど動力を必要とする場合もあります。
ですので、厳密にいうとタンク一体型の強制循環型もあります。

メリット
- シンプル構造で低価格
- コンパクト
- 施工が楽
- シンプルなので故障リスクが低い
デメリット
- 屋根に載せるときはタンク一体なので重量が問題
- 配水経路が長く衛生面がリスク
強制循環型
強制循環型とは動力を用いて循環する方式で、一般的には集熱器と貯湯タンクが別体式になってます。
ガス給湯器などと連動できるものが多く、一般家庭でガス併用などを検討する際には貯湯タンクも屋根に載せなくても大丈夫なので一番、現実的なものがこちらになります。

メリット
- 屋根に重い貯水タンクを載せなくて良い
- ガス給湯器などと併用できる
デメリット
- 集熱器、タンク以外にも必要なものがあり、イニシャルコストが高い
- 循環のための電源が必要
オススメの太陽熱温水器
ここまで読んでいただき、色々と種類が出てきました。
色々あり過ぎてどれを選べばいいのか分からないという方に向けて、
いくつかピックアップをしました。
購入検討の際に参考にしてみてください。
とにかく安く設置したいDIYをする人向け(シャワー、お風呂用)
- 集熱方式:真空管型
- 加温方式:直接
- 循環方式:自然循環
お風呂メインでしっかりと設置して使いたい
- 集熱方式:真空管型
- 加熱方式:間接
- 循環方式:強制循環
オススメのメーカー
真空管型は元々、中国発の製品なので中国からの個人輸入ではかなり安く購入することもできます。
しかし、中国からの個人輸入で一番の問題は送料よりも物品が状態です。
クレームをいうことでもできますが、正直、労力が大変です。
中国からの輸入の場合は、兎に角、荷物が乱暴に扱われてしまうので、注意が必要です。
その点、日本のメーカー経由であれば、万が一割れ手入れも保証してもらえます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後も一施主の発信として、より多くの方に高性能住宅というものを知っていただく機会とそれを手にしていただく一助となれれば幸いです。
コメントや感想などをいただけると今後のテーマにさせていただいたり、自分自身の発信の励みになります。是非、よろしくお願いします。
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